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排出権商人

黒木亮さん著者

排出権商人
排出権商人
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黒木 亮
講談社
売り上げランキング: 2208
おすすめ度の平均: 4.5
5 よいけど限界あり
5 アクの強い人物たちと現場が排出権相場を盛り上げる。
5 排出権取引の仕組みがよくわかります
4 CDMの欺瞞を突く
3 CO2削減問題、まずはこの一冊から。


好きな作家さんの一人である著者。
銀行、証券会社、商社を経て作家になられているという事で、取引実務に関しての詳細や情景がサックリと描かれる中にもリアリティーが感じられる。

本書の内容は、今後日本に重くのしかかるであろう魔の京都議定書におけるCO2削減のための排出権取引にまつわる、
「どのように排出権を生み出し」
「どのように売買換算するか」
「どういった議会で認証される」
といった、よくある「排出権取引とはこういうものです」的な説明本には難しく書かれがちな内容を、小説を通してわかりやすく表現されている。

何事もそうだと思うのだが、物事を擬人化し、ストーリーだてて表現する事により、各人でイメージを作っていくので、難しく思いがちな事も理解しやすくなる。
そういった意味で、実社会の事柄を小説という社会の中で、架空の人物に体験させ読み手を魅了していくというのは、コア過ぎても一般うけしないし、かといって周知の事実だけを並べたてられても「で?」と言う感情しか残らないので本当に難しいと思う。
実情を小説化するのは、情報の多寡に十分注意しつつ登場人物にリアリティーをつけ、さらに登場人物に感情移入できる物こそ面白いのだ。

そういった事を本書はクリアし、読みやすく、そして引き込まれるように一気に読んでしまった。
主人公である女性の地球環境部の室長が、案件探し、現場調査、資金調達を、主にアジアを中心にビジネスを形作るところからクロージングまでが描かれるが、それと平行するように女性の会社をカラ売りするカラ売り屋のストーリーが走り、最後までハラハラさせられる。

排出権取引に関心がある方や、投資会社、証券取引に興味のある方は、勉強としても読み物としても十分に楽しめる内容だと思う。
巻末に、業界用語の簡単なインデックスもあるので、改めて言葉の意味を確認するのにも役立つだろう。

とりあえず、自分はハードカバーの本書を持ち歩き、通勤電車で読み上げたのである。

長靴を履いたサル

関東地方の積雪。

一昨日お昼から雪到来!
の天気予報を聞きながらも、出かけに見上げた空は遠くの方で鮮やかな青を描いていた。
ここで、いつもは信じて疑わない天気予報を、何を思ったか
「天気予報って外れる事あるんだよねぇ」
なんて手にした折り畳み傘を玄関に置き去りにした。
当然、この事が後々に淡いジャブとなって効いてくる。

雲行きは昼過ぎに怪しくなり、流石国家資格の天気予報士!
がっつり的中した空模様は雪、いや帰る頃には軽く吹雪いていた。

とりあえずを疑って着て来たダウンコートのフードを被り、ビジネスバッグを小脇に抱えながら急ぎ足で雪の中へと飛び込んだ。

雨とは違い、雪は掃えるのでバッグに積もる雪を掻き分け無事に帰宅。
お洒落フードと思われがちなコートのフードも活躍し、濡れ鼠は免れた。

そんな翌日、窓の外には真っ白な雪。
出かける時には銀色の世界!とはいかず、既に車や人が通り過ぎた道はややビシャビシャ。
こうなると、以前お買い上げしていた長靴が大活躍である。
ちなみに自分のは、数年前から圧倒的な品数が出たお洒落レインブーツではない。
それ以前に必要にかられて手に入れた、The長靴。
ちょっとだけ当時の中ではお洒落だった所をあえて言うと、ショートブーツで淡いパープルに花柄的な模様という所だろうか。

会社で履き替える靴を持ち、いそいそと長靴で出かける。
耳にはモコモコ耳あて。
道路の至るところで雪かきをしているおじ様、おば様。
ありがとう!と思いながらも、あえてビシャビシャした所や、まだ前人未到のパウダースノーな脇を「イエス!」なんて心を躍らせながら長靴で歩いた。

さて、そのまま事なきをえるかと思いきや、いざ会社の最寄り駅に降り立つとそこは一面の銀世界、遠くでキタキツネが。。。な情景は一切なし!
は、はうぅうううううッ。。。。
なんなの?なんなの?
この、一滴も雪ありません状態は?!

毎回、たまに都内に雪が積もると起こる「都心、雪ありません!」現象。
なんだかなぁ。。。
一応、我が家も23区内なんだけど。。。
まぁ友人宅から家に帰る時は「村に帰る」なんて愛を込めて言っているが。。。

と言う事で、都心の大通りに、長靴を履きモコモコ耳あてをしたサルが信号待ちをする事になる。
恥ずかしさは無いが、雪も水溜りも無い道を寂しく長靴の足音が響く。
「また、村に戻ると雪が残ってるんだろうし。。。」
なんて言い聞かせながら1日を過ごす。

で、話は終わるはずだったのだが、神様は「家に着くまでが遠足だ!」と言わんばかりな試練を我に与える。
そう、村に残っているはずの雪までもが嘲笑うかのように跡形も無く消え去っていたのだ!
いや、跡形も無いのは言いすぎた、青空駐車中の車のフロントガラスや茂みにうっすらと雪は残っている。
しかししかし!長靴の出番一切なし!
朝のスリッピィーだった凍り道もいない。

ただ、朝の活躍っぷりを考えると、短い時間の中でも長靴を履いた自分は褒めてあげたい。そう心の中で自分を抱きしめるのであった。

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