スティーブンキング原作 フランクダラボン監督
ポニーキャニオン (2008-09-17)
売り上げランキング: 7513
おすすめ度の平均:
鬱映画代表格
真の恐怖は人の心の弱さと傲慢さ
沖縄戦
真に恐ろしきは人か?
元ネタはキングさん
「映画」カテゴリーでは、映画館に足を運んだ作品を紹介しようと思っていたが、衝撃的な作品や今まで観た作品なんかも書き散らかしてみようかと気まぐれ風が吹いた。
さて本作品、上映されたのは昨年のGW?
当時、映画予告で「観たいなぁ」なんて思っていたのをすっかり忘れていたのだが、つい最近、素敵なケーブルテレビで放送されるに至り視聴。
開始そうそう謎のミスト(霧)により主人公達はスーパーマーケットに閉じ込められるのだが、決して長閑でも愉快でもない小さな村の人間関係がわらわらと流れている内にミストの中から得体の知れない物体現る!
えぇえええええええッ!!!!!これって、
「パニックムービー巨大生物現る!」
的なSFホラーかい?!!!!
1年前とはいえヘタをすればB級と言われかねない巨大シリーズの映画を劇場で観ようとしていたとは!
ショックを隠しきれず、すかさず友人にメール。
「サスペンスかミステリー系の映画だと思っていたのに、巨大生物シリーズみたい。。。」
友人からは残念メールの返信と共に「観るのやめちゃえば?」のご意見を頂戴した。
しかし観始めたからには、この主人公達がどうなるのか?また、主人公と因縁のある人物達や陰険な人々がどのような最後を遂げるのか?とりあえず気になるので観続ける事を選択。
所々の映像にキャアキャア言いながら、要所要所に先程の友人に経過報告メール。
何故だろう。。。
一人で見るのが気持ち悪かったのと、友人にも乗りかかった船的な共有感を味わって欲しかったのだろうか?
受信する友人も、観てないキャアキャア映画を描写されクッタリしていた。
ちなみにこの映画は録画していたので、
「まぁツマラナクなったら最終的にどうなるかだけ早送りで観るべ」
なんて監督はじめ製作者に失礼な態度で挑もうとしていた。
しかし!これが何と巨大生物パニックムービーでは無いのである!
もしもその類の映画であれば、分かりやすい騒ぎ役と主人公の奮闘なんてなアクションシーン満載なはずだが、この作品は人間心理の変化の描写が細かく、何故そうなっていくのかや人間が一番怖い生物だと気付かされるのである。
大部分の背景や心理が全て台詞で説明されているのがちょっぴり気になったケド。
気付いたら夢中である。
大嫌いな生物のワラワラシーンがあるので目をそむける事も少なくなかったが、しかしそこを耐え忍ぶと、この映画の宣伝広告にあるように
「映画史上かつてない、震撼のラスト15分」
が待っている。
これはかなり衝撃的なラストなので、各々で思うところ有り!になるだろう。
あまり調子に乗って書き散らかすと、これから観ようとする方々の出鼻を挫くので多くは語らないが、
「とりあえず何かしらのショックは受ける」
これだけは覚悟して見るべし!
間違ってもハッピークリスマスの夜に恋人と!なんて映画ではないので一人でひっそりと虚無感に襲われるのをお勧めする。
ちなみに、この作品を書き散らかすにあたり改めて「ミスト」を検索して調べ原作がスティーブンキングだと知った。
多分、公開当時もキングの作品だから観たいと思ったのだろう。
「あぁナルほどね」ようやく落とし所を見つけた。
彼の作品を原作でいくつか読んだ事があるが、SFがかっていても常に人間心理が深いところで描かれている作品が多いし。
そしてこの映画のラストは、監督であるフランク・ダラボンが付け足している。
なかなか原作を映像化するのは難しいが、この作品に関してはキング自身が「このラストを思いついていたら書いていただろう」と言うくらい賞賛している。
まだミストの公式サイトに監督インタビュー動画があるので、興味のある方は一度サイトを訪問するのもよろしいかと思われる。
どのような思いで原作を読み、映像化するかなんて事を語っているし、監督自身が好きな日本映画なんてのを話しているのを見てると、こっちまで楽しくなってくるような、そんな明るいダラボン監督がいるのである。