2008-11-9 13:25
斉藤孝さん 著作
この本は、古典の「徒然草」の中から、現代の身近な日常生活にも使える教えや格言などを抜粋し、解りやすく解説し生きる知恵として書かれている。
ちなみに私は、徒然草は、学生時代にちょろりと習った後、一度も読んだことがない。
しかし、この本を読み終わった今、改めて「徒然草」を読んでみたいと思った。
作者である吉田兼好が過ごした当時の何気ない日々の中で感じた事が、現代もほとんど変わらないと思えるからだ。
職場、家庭、学校などの人が集まるコミュニティーの場において、こうすると楽になるという知恵であったり、物事の上達の秘訣などは、今まで気負っていた自分の考え方が、すぅ〜っと力が抜ける感じで納得させられる。
例えば、
「勝とうと思うな、負けないようにしろ」
という意味の本文を解説した章がある。
個人的に、今まで「負けん気が強い」や「負けない」と言う言葉が好きではなかった。言葉の中に「負け」と入ると縁起が悪いような気がしていたからだと思う。
しかし、この章では何事も勝ち続けるという事はないのだから、まず負けないようにする事を考えて挑めと教える。負けないように挑んでいれば、いつか勝つこともあるからだと。
この章を読んだときは、目から鱗がポロポロ。
勝つためにはまず負けない事!と、素直に思えた。
年を取ったという噂も。。。
いやいや、ようやく先人達の教えの意味が理解出来る程、経験を積んできたという事にしよう。
そんな感じで、ビジネスマンに限らず、ちょっとした人生の知恵としてこの本はお勧め。
一つ一つの解釈が簡潔に書かれているので、隙間時間にチビチビ読んでみては如何でしょう。
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