松本人志さん 著者
これは、著者の週刊プレーボーイの連載コラムを編集したエッセイ?本である。
日常のニュースに対する読者からの「怒り」質問に、著者自身の経験やタレントである立場からコメントがさっくり書かれているので、待ち合わせや移動時間のちょっとした隙間時間に読むと良いかも知れない。
この本で取り上げられてる時事ネタは、2004年〜2008年掲載分のため、福田元首相、スピード社の水着、レンタルパンダ、冥王星降格など、当時のお騒がせネタが多いので懐かしく思える部分もあるが、一つ一つの怒り疑問を一緒に考えてみるととても興味深い読み物となる。
そもそも毎日報道されているニュースは、その情報のスピードについていくだけで、なかなか立ち止まり一つのニュースを考えることが無いような気がする。
所謂、情報麻痺しているのではないだろうか?
当事者はもちろん忘れられないが、無関係の視聴者は報道に一喜一憂するものの、翌日には過去の事。次の新しいニュースに一喜一憂。
テレビ番組は、視聴率のためにいかに面白いネタを扱うか、そのネタをいかに面白く報道するか、という事に集中し、本来伝えるべき事項が間違って伝わる危険性を含んでいる。
著者はお笑いタレントであるので、読者が投げかける怒りの疑問に対して、茶化して面白く書いていると思いがちだが、実際は一つ一つまじめに考え、著者自身の意見を掲載している。共感する部分もあるし、これを読みながら自分自身の意見を出していくと、改めて世の中大丈夫か?と心配にもなる。
さらりと読み進むもよし、気になった怒りを一緒に考えるもよし、面白いか面白くないかは読者の読み方次第だろう。