綾辻行人さん著者
綾辻 行人
講談社 (2010-08-12)
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ココ最近はまっている著者の奇怪な建築家の設計した館で起こる殺人シリーズである。
はっきり言うと、今回は大変読み進みが遅かった。
前作までとは違って、なんだか文学的と言うかハラハラしないと言うか。。。
そもそも主人公が病弱で、ある日自殺した父親の残した館に移住してくる事から始まるのだが、この主人公がなんとも活動的ではない。
まぁ小さい頃から病弱で。。。
なんてな事もあるのだが、常に心の中の自分と語っているというか何と言うか。。。
しかもこの館には、生前父親が作った不完全な人体人形が所々に配置されているのである。
何が不完全かと言うと、1体につき必ず1パーツ不足しているのだ。
しかも顔はのっぺらぼう。
そんな薄気味悪い館なので「人形館」なんて呼ばれるのだが、自分は、この描写のせいで年明けからの悪夢に繋がっていると勝手に思っている。
それだけ今までの作品と違って、人間味の無い異様な雰囲気が本作にはあるのだ。
ストーリーは、過去に起きた事件が関係して主人公が狙われると言う話で、何気に途中から「犯人はもしかしたら」的な予測が立てられた。
しかし毎回、著者には犯人を当てながらもどんでん返しの事実が判明で尻尾を巻かされるので、慎重に読み進める。
例え犯人がこの人でも、今回はどんな裏オチがあるのかと?!!
で、半分までノロノロと1週間以上かけて読み、悪夢に苛まれつつも後半戦になると一気に読み進む!
やはり登場するべき人が登場するとか、何かしらのアクションが無いとなかなか気が乗らないんだよねぇ。
で、結果的に犯人は当たっており、その背景も読んでいたのだが、最後の裏オチがなぁ。。。。
ここで本作の好き嫌いが分かれると思う。
自分的には後味が悪いというか。。。
前作と違う感じの作品に仕上がっている理由もわかるのだが、やはりこういうトリックでは無いケド、実は。。。的な締めは好きじゃないかなぁ。。。
と、まぁ久しぶりに歩みの鈍い読書を堪能したのであった。