鉄観音茶の飲みかたを間違えたもよう。
以前、北京からきた仕事仲間に小分け袋に入ったお茶をもらった。
3種類くらいある中から本日のLunchのお伴としてオレンジ袋に包まれた「鉄観音茶」を取り出す。
さて、我が家には
エルマーのティーセットがある。
カップ2個とポットが
ダルマ落としのように積み重なっている憎いアイツだ。
とは言え、本日のランチは自宅で一人飯。
エルマーを出動させるまでもないかと茶袋を開けそのままマグカップにIn!
小粒の茶葉たちがコロコロと舞い落ちる。その量マグカップ1/3。
ティーバッグに入れるのが正しいのだろうが、そんなものは家にはない。
まぁ最後の方は唇を頑なに閉じて啜り飲みすればいいか。
なんて素人丸出しの甘い考えのままお湯を注ぐ。
テーブルに本日のランチを並ばせ、
少し蒸らしおいたマグカップを取りに行く。
茶葉がゆっくりと開きながら上昇している。
う〜む・・・まぁ最初から唇で塞き止め飲みすればいっか。
まだこの時は惨劇を知る由もなく呑気なものだった。
Webでニュースなんかを確認しながらランチを口に運ぶ。
お茶はまだ一滴も飲んでいない。
自分は食事の時何かを飲みながら食べることがあまりない。
飲みに行ったときのツマミwithアルコールはこの限りではないが。
なのでマグカップには目もくれず一心不乱に
食べ物、Web、食べ物・・・を繰り返していた。
満腹中枢が振り切れたところで愈々マグカップを手に・・・
ぬ?ぬぬぬ??
な、なんじゃこりゃー!!!!
・・・増殖しとる。
まさしく増えるワカメ並みに、増殖しとる。
可愛かったコロコロ茶葉は、今や大輪の花を咲かせんばかりにマグカップの中でひしめきあっている。
えっとぉ・・・・
どう考えてもワカメに変化したお茶を喉元にお届け出来る気がしない。
日本の茶葉でもこんな大きく広がるものないんじゃないかい??
育ちあがった茶葉を前に「お茶ッ葉を食べる」、
なんてな事を聞いた事があるような気がする、
なんてとんでもない記憶の引き出しが開いた。
握りしめたフォーク、マグカップ決壊も目前の茶葉、
睨み合う両者、もとい睨み付ける1人の人間、いよいよ一騎打ちである。
ほぼワカメとなった茶葉をすくい上げ口に運び噛みしめるその瞬間!!!
「う、うぇえええええっ!!!!」
苦い、そして葉っぱ味、いや、出涸らし!
もし自分の記憶が正しくて茶葉を食べるという行為があったとしても、
恐らく出涸らしを生喰らいするなんて調理法はないはずだ。
含んだばかりの出涸らし茶葉をフォークにリバース、食べ終えたばかりのお皿に移し、残りのマグカップに陣取っている茶葉を、
すくい上げてはお皿に、上げてはお皿に、を数回繰り返す。
ようやくオアシスが見えては来たのだがどう見てもマグカップ1/2も泉がない。
お皿に目をやる。
瑞々しく葉を広げた出涸らし。
亜熱帯気候のジャングルのようにモリモリとその全容を覆っている。
1日かかってようやく竹筒に溜めた雨水のような命の泉を3口程で飲み上げ、
伐採したジャングルの茶葉をごみ袋へと移植してランチを終えた。
中国茶・・・後2種類、5個くらいまだキッチンに佇んでいる。
利休が現世にいたら「すり鉢で潰して飲みなはれ」とでも言うかもな。
次回はネット検索で淹れ方でも学んでみようと思ったのであった。