法廷会計学VS粉飾決算 |
2008-10-17 07:54 |
細野祐二さん著者
著者自身も、4年前に粉飾決算の容疑者として起訴され、現在最高裁に上告中の公認会計士である。
この本は、世間でも有名な経済事件である「日興コーディアル粉飾決算」「ライブドア」「(旧)中央青山監査法人(みすず監査法人のち昨年7月解散)」「日本航空」の粉飾決算疑惑を、詳細に調査しわかりやすく書かれた本である。
有名な経済事件を取り上げているため、資本取引がよくわからない方や、会計に詳しく無い方でもニュースなどで頻繁に流れていたので、聞き覚えはあると思う。
しかし、実際何が不正で何が問題で何が事件で、という事は報道を受けるままで根本的な内容を知らないのではないだろうか?
報道は時として危険である。
報道する側が、その事件内容の詳細を調べる前にニュースにしてしまったり、専門的な内容に詳しくないのに上辺だけで判断してしまったり。
全ての人が経済や会計に詳しいわけでは無い。
視聴者は、与えられる情報をそのままに受け入れてしまうがために問題の本質を見失いがちになる。
これは、経済問題に限った事ではなく、現在騒がれている疑惑の報道全般に言えるのでは無いだろうか。
さて、この本は、とても難解な粉飾決算疑惑を紐解くように細かく説明されており、知識が少ない方でも十分に理解は出来る。
それほど丁寧に事件の詳細が書かれている。
小説ではなく、実際の事件を取り上げ、実名で疑惑を提示しているこの本は、是非お勧めである。
世界の経済動向が不安定な今、何が起きていて何が起ころうとしているのかを知るために、私達は少しずつ資本取引とは何かを学んでいく必要があるのでは無いだろうか。
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