悪の会計学 |
2008-11-27 23:16 |
元国税調査官 大村大次郎さん著者
「会計学」という文字に、何やら専門的な本?!と思われるかも知れないが、これは裏技の本である。
そもそも決算書というのは、誰(orどこ)に見せる事を前提に作成するかで作り方が変わってくる。
「決算書って一つでしょ?」と不思議に思われる方もいるかと思うが、確かに決算書は一つだが、契約や就業規則を作る一手間で経費扱いにしたりする事が出来たり、数字の見せ方にはいくつか方法があるのだ。
もちろん脱税や粉飾決算という法に触れる事をするのではなく、節税という範囲で出来る事だ。
この本は、元国税調査官が書かれているので、実経験から上手く節税している会社の実例方法を教えてくれる。
世の中には知っているのと知らないのとでは大違いの事柄が多く存在し、当然知っている方が得する。
何事も教科書通りに対応することも大切だが、結局のところどんな分野でも法律とは人間が作り出したもので完璧ではない。
当然全ての事例に対応出来ない事は多々発生する。
その中でちょっとしたテクニックを知っていれば、ずい分経営が楽になることもあるのだ。
これは是非、法人、個人を問わず経営者に一読して欲しいと思う。
そして自社の現状を見直して見るのも良い。
税金を納税するのは当然だが、税金の前に従業員に還元して士気を高める方法というのも少なからずあるので参考にして欲しい。
もちろん会計、税務の勉強中の方、経理担当の方、もしくは何となく興味があるかもと思っている方にはお勧めする。
文字も大きめで、エッセイのように読みやすい。
会話調に書かれている部分も多くすんなり頭に入ってくると思う。
タイトルに「悪」と入っているため、数字操作の犯罪臭が漂いそうだが、法的に認められた権利にテクニックを活用すると税務署は辛くなるという感じの話で「犯罪に手を染めよう本」では無いのでご安心をば。
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