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イングロリアス・バスターズ
タラちゃん事、クエンティン・タランティーノ監督

今回、映画レビューを書くのをためらった。
悩んだあげく、映画サイトのユーザーレビューを散歩し、「そうなんだよぉ。。。」とようやく自分の落としどころを見つけたので書き散らかすことにした。

さて、今回の映画、友人3人で観に行こうと団結し、ぼんやり日程調整と、お安めチケットの到着を待てしていたら当初の予定地ではあえなく上映終了!
あわあわと上映してる劇場を探し、最終的に「上野」の劇場で鑑賞することに決定。

上野。。。夜の盛り場に踊り出る事はあっても、なかなか日曜の昼間に出かけることはない。
ましてや上野の映画館なんて、10年くらい前に1度来たくらい。
ちょっぴり心配だったので劇場の感想レビューなんてのを参考にしてみた。
とりあえず何年か前に館内の改築があったらしく、座席に難は無い様子。

当日。
座席は自由席だが、最近の経験から、
「自分達が選ぶ映画はあんまり人気が無い」
なんてなジンクスが確立されていたので、そこそこの時間に入場。
パラパラと人はいるものの、ゆっくぅりと座席を確保。
忘れずに持参したメガネを装着し、開始までの時間を過ごす。

パラパラ、パラパラ。。。ぬ?
予想以上に人が入場してくる。
しかも、上野という場所柄か年齢層が高い!
いつもなら青年らしき人々数名と鑑賞しているはずなのに、「満員御礼!」と言わないまでも6割くらいの人で埋め尽くされた。

更に驚く光景に、こんだけの人数がいたら自分達のように「きゃっきゃ!」と始まる前の会話が弾んでいそうなものが、シーン。。。。
まるで空席のような静まりである。
勿論、お一人様の鑑賞が大勢!ではなく、数人で寄り合って来ているのに!

「場所が変われば人も変わる。」
なるほどねぇ。なんて納得していると、いよいよの上映開始!

ふぅ。。。。映画のレビューとブログの違いを見せ付けるかのような前置きの長さ!
我ながら天晴れだな。

映画の感想に話を戻すと。。。。
長いッ!!とてつもなく長い!!!
キルビル手法のチャプター方式でシーン展開をしている映画なのだが、チャプター3まで行ったときに、横にいた友人が「いくつまであるんだろうね?」と耳打ちしてきたので、「20章」と即答。
なぜだかその時「ロード〜第二十章」なんて言葉が頭に浮かんだ。
今調べたら、ロードは第十三章までだった。

実際は20章までは無いのだが、チャプター2で既に飽きていた。
欠伸が止まらず、かけていたメガネは外した。
何故か?
チャプター1はほとんどフランス語、チャプター2でようやく英語、3と4でフランス語、ドイツ語、5ではフランス語、英語、イタリア語、と、4カ国の言語が使われている。それがとても疲れるのだ。

そもそも自分は英語映画を観る事が多く、専門的な会話とかでは無い限り字幕は見ない。字幕はジョークが伝わりにくいからだ。
どうしても日本の習慣に置き換えて言葉をあてはめる事になるため、面白みが半減してしまう事にも成りかねないのである。

で、今回の映画は英語以外の会話の時に、日本語と英語の字幕が二段になって表示される。
せっかくの映像が見づらいし、タランティーノ監督らしく台詞が多いので画面が大変なことになっている。
しかもこの監督の粋な台詞を使った会話やジョークが好きな身としては、言葉の壁が厚いこの作品では字幕に頼らざるを得ない状況にコッテリ疲れた。

映画は観るもので読むものでは無い!を心に秘めて鑑賞していた日々に、突然の長台詞を読まなければいけない映画、そしてあらすじも知らずに観に行ってしまったために、丁寧に時間をかけてクライマックスへの序曲を奏でる本作品は、とっても退屈だった。

この作品のプロモーションに「上映開始4日間限定、最初の60分観てつまらなかったら全額返金!」なんてのがあったが、もしこの対象期間に映画を観ていたら60分で席を立っていたかも知れない。
今まで映画で席を立ったことは無いが、全額返金ならば。。。

まぁしかし、上映60分で席を立ってしまったら、この映画は本当につまらなかったという感想で終わっていただろう。
それだけクライマックスが豪快、かつチャプター1,2で紡ぎあげた序曲が大爆発するのだ。

ただ、如何せんグロテスク。
ヒットラー暗殺を目的とする映画と言うのはテレビの予告などを見ていて何となく知っていたが、カテゴリーするなら、この作品は戦争映画なのだ。
タランティーノ監督の作品である「ナチュラルボーンキラーズ」「フロム・ダスク・ティル・ドーン」「キルビル」なんてのを観た人には想像出来ると思うが、ドンパチドンパチが激しい。
そして「キルビル」くらいからハンニバル的傾向に目覚めたのか、刃物を主流とする痛み映像が現れる。

まぁ、そこはタランティーノ監督。
「ソウシリーズ」のように痛みや苦痛を「これでもか!」てな執拗な描写はせず、サックリ取り込んでいるのだが、観ていられなかった。
目を瞑ったシーンはたくさんある。

この作品は、1976年「地獄のバスターズ」というイタリア映画のリメイク?らしいが、ナチスを続ける者も潰す者も狂気の沙汰、そんな感じなのだろうか。。。

これほど不快感もなく、爽快感もなく、何の感情も湧かず実りの無い映画も珍しい。
言葉を選びながら言うと「見る価値ゼロ」かなぁ。
それよりも「タランティーノ監督大丈夫かなぁ」と心配になる始末。
今回の作品は、音楽も配役も盛り込み過ぎたために観客が置いてきぼりになる、そんな印象と、2時間30分の上映時間でも足りないくらいの思いが中途半端な切れ味として無理矢理まとめたように感じた。
この映画の評価は見方によって色々分かれるだろう。

さて、この映画が終わって気になったのは、年齢層高めの他の観客の感想。
自分の親、いやそれ以上の方々も観に来ていたが、グロテスク&ドンパチやっほー!なこの映画、どんな感想を持たれたのだろうか。
第二次世界大戦、そして戦争はこの映画どころではなく、もっと過酷な現実ばかりだった、そう思うのだろうか。
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