正義で地球は救えない |
2009-12-22 16:43 |
池田清彦さん、養老孟司さん著者
池田 清彦 養老 孟司 新潮社 売り上げランキング: 16209
おすすめ度の平均: 主に池田清彦氏による愚痴 とっても大切な本だと思う 複眼的思考のトレーニング わかりやすい!! ぶったまげた極論もあるが良書
本書は、環境問題の一つ一つを解説した本では無く、過去とは違う現象を環境問題にあてはめ、規制を作り本質を見失っている世界的な動向を著者達がレポート形式、対談形式で非難もしくは警告?している本である。
世の中を賑わしている環境問題騒動を「そうとは限らない!」という視点で真っ向否定する場面もあり、賛同する部分と読んでいて何だか嫌な気持ちになる部分がある。
表現の仕方なんだろうが、どうしても著者の文面を読むと
「公表されている事を否定して非難する事は、勇気を持って公表する事より簡単では?」
と思ってしまうのだ。
著者自身も「ここがおかしいんじゃないか?」と言うだけ色々と調査していて、読者である自分にも納得出来る判断材料を提供しているのだが、人の揚げ足を取っている風にも感じる。これは好みの問題だが。
著者の言うように、現在の世界的環境議論の裏にいる「CO2削減のための排出権取引」なんてのは、国家間の私利私欲がうごめいていて、せっかくの取組みを台無しにしているのでは?とは自分も思っている。
既にいくつかの本や研究者のレポートでは、
「温暖化の原因はCO2とは言い切れない」
との発言もあるし。
環境問題は、専門家でなくては判断が難しいように感じるが、専門家と言えども今までに経験した事の無い事象を、過去のデータから推測し、システムにより未来を予想した結果で判断しているにすぎない。
物事には何かしらの指標がある事はいいと思うのだが、そこに便乗するルールは如何なものかと。
環境を考える時、個人レベルで行動するのと社会レベルで動く事では影響力は大きく違う。
極端な話、次に作動させる動力や、電力の供給が無ければ消滅してしまう事項を考えずに言うと、各自が電気をこまめに消すより、国が一定の時間電力供給しない方が遥かに消費電力を下げる。
この案は勿論不可能だが、社会が動く事によりその影響力は遥かに大きい。
それを踏まえて行動出来る社会になれば。。。
勿論、それが正しい方向に進むことが重要。
途中、著者達の会話の中で地熱発電に対する意見が出てくる。
つい最近地熱発電に奮闘する経済小説「マグマ」を読んだので、何だか親近感が湧いた。
ちなみに本書を読むのは2度目である。
どうも心が挫けて最後の最後で投げ出したきり読んでいなかった。
本棚の整理と共に手に取ったので再び読んだのだが、
本書が発行されたのは2008年10月。
当時と全く変化のない環境問題へのアプローチにむしろ驚いた。
エゴ。。。それがある限り明るい未来は遠いのかも。
環境問題の本は、排出権取引などの会計や動向等の関連本を含め月に数冊読むのだが、考え込んでしまう事が多いのでなかなかブログに書き散らかせないでいる。
今回久しぶりに心の思いを少し吐き出した。
環境に限らず、貧困、フェアトレードの本もいくつか読んでいるが、皆声高には言わないが必ず触れる事、いや行き着く先がある。
「人口問題」だ。
日本は、少子化と言えどもこの小さな島国で人口密度は高い。
世界をみても人口過剰な国がほとんどなのだ。
環境問題に発言権を持つ人が、
「人類が多すぎるのだ!!」
なんて発言したら大問題!失脚するかも知れない。
このまま人類が増え続けたら食料問題、水問題と次々な問題が起こる事を知っていながら、まるでタブーのような扱い。
そうではなく、著者も言うように、
今生存する人類をどうこう考えるのではなく、環境問題を声高に言いながら、自国では少子化で国家力の衰退を心配して政策を練るよりも、もっと広い目で人口問題に本気にならなければならないのでは無いだろうか。
う〜ん。。。やはり自分の考えが「こうだ!」と言い切れないので、なんとも歯切れの悪いブログになってしまった。
難しいなぁ。。。気持ちを文字にするのって。
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