激安なのに丸儲けできる価格のカラクリ |
2010-11-12 15:59 |
坂口孝則さん著者
坂口孝則 徳間書店 売り上げランキング: 106897
「この店とこの店では、どちらが儲かっているか?」
なんて、皆が知っている有名店を比較し、ビジネスモデルを解説する本は近年沢山発刊されている。
自分も有名店の名前に釣られて「どれどれ」なんて読み漁った時期もある。
しかし、結局数字を並びたてグラフ図をつけただけの物も多く、「原価率」「変動費」なんて言葉だけで毛嫌いする輩にはちっとも面白い本ではなかったように思う。
自分は、「原価率」「利益率」なんてものに予め目を光らせていたから興味深く読んだ方だが、それでも心に残るような解説は無かった。
それから暫く「○○と○○ではどちらがどうだ」的な本には見向きもしなくなった。
たまに気になったとしても、背表紙の解説なんかを読んで買わずに帰っていたのだが、この本の帯に「ポイント制の真実」なんて書いてあったのを目敏く見つけ思わず手に取った。
ここ数年、国際会計基準に合わせるべく日本の会計基準に大革命が起ころうとしている。
そんな会計基準のひとつに
「ポイント発行に相当する金額を売上額から除外して負債に計上することになる」
なんてな文言があり、ポイントを乱発してる企業さんの決算書は面白い事になるだろうなぁ。。。なんて思っていたので、「ポイント制」の言葉に心が躍った。
本の内容は、マック、ディズニー、JALのビジネスモデルの儲けの仕組みについて綴ってあるのだが、各章別にわかりやすく説明されているので、利益率といった数字が苦手な人にとってもその部分を読み飛ばしても面白い内容だと思う。
で、一番興味のあった「ポイント制」。
「現金値引きとポイント還元のどちらが得をするか?」
のカラクリが書かれている。
この2種類のサービスを例えて考えるなら
「cm(センチ)」と「インチ」のような事だろうか。
センチは想像出来るケド、インチだと。。。
数字を当てはめると分かるケド、そこまでせずに終わるという感じ。
この答えは是非本書を手に取って見て欲しい。
自分にとって、一番役に立った章でもあるので。
結局、資本主義社会において商売とは心理戦なのだが、儲かっている人がいればその分支払っている人がいて、支払っている人が多いか少ないかがビジネスモデルの違いであって、支払った人がその後幸せかどうかはその人次第。
人が満足し続ける事なんてないからなぁ。。。
常に無いものねだりであるからこそ人間社会が進歩しているんだし。
本は本として納得して読めばいいが、この教訓を実生活に持ち込むとさぞ輝きを無くした生活になるだろう。
いつの時代も物事の裏側とはそんなもんだ。
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