バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容 |
2010-12-28 13:10 |
アダム・レボーさん著者 副島隆彦さん監訳・解説
アダム・レボー 成甲書房 売り上げランキング: 55488
本書は、2008年12月10日、実際に起こった世界的詐欺事件である。
リーマンショックも冷めやらぬ同年に起こったこの事件は、世界の投資家に大激震を起こし、これにより億万長者から一挙に破産に追いやられた資産家も少なくない。
そもそもバーナード・マドフとは、ナスダック市場の創設者である。
つまり証券取引業を営んでいた彼がナスダック市場を創設し、一躍花形に踊り出たところ自分の手に負えないところまで投資事業が一人歩きしてしまった結果故の詐欺事件となった。
大まかに言うと投資の世界的ねずみ講なのだが、その規模が大きすぎて読んでいるこちらまでハラハラする。
本書に「投資家被害総額一覧」やねずみ講の簡単な図式があるので参照すると、巨匠スピルバーグ監督や俳優ケビンベーコン、マルコヴィッチ、日本企業では野村ホールディングス、住友生命、あおぞら銀行、その他政界中の有名な銀行、投資会社、生命保険などがいる。
スピルバーグ監督を初め多くの個人・団体は被害金額非公開だったりもする。
この事件の最初の被害者から、どういう手法で、どういった経過で、採取的に、と続いていくのだが、ハードカバーにしては文字も大きめで文章が読みやすいためサクサクと読み進めた。
経済事件に関する本は「エンロン事件」で読み漁って以来だが、結果
「騙された方が悪い」
と言うにはあまりにも重過ぎる。
お金を増やすという事は、自己の裕福や贅沢を求めるだけではなく、慈善事業への資金調達手段であったりする場合もあるのだ。
なかなか読み応えのある本書は経済事件や経済小説が好きな方にはお勧めである。
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