2008-10-6 19:33
竹中正治さん著者
著者が、アメリカで参加されたエコノミック会合や、講演、シンクタンクで議論された事柄や、アメリカ生活の中での実体験に基づいた視点から、時事問題を取り上げ、日本とアメリカを対比した本である。
シンクタンク、エコノミックなんて書くと、小難しそうに感じるが、「日本のアニメとディズニーなどの米国産アニメの違い」であったり、「ディベートするアメリカ人VSブログする日本人」など、身近なものを取り上げており、説明口調ではなく、著者の感じることをツラツラと書いているので、エッセイ的に読める部分が多くある。
もちろん「”新銀行東京”失敗の本質」というカテゴリーで、「融資における審査モデルの限界」や、「スコアリング方式の確率的アプローチ」といった具合に経済的用語が飛び交うカテゴリーもある。
さて、その中で、とても日本人の本質を表しており、かつ共感したところがあったので簡単に紹介したい。
「希望を語る大統領VS危機を語る総理大臣」という項で、日本の危機管理が甘いのはなぜか?について
「過ちは確立的にどうしても起こるものであり、それを前提に小さい失敗を許容しながらも、それを大きな失敗につなげない工夫が必要なのだ(中略)「こうすればうまくいく」「失敗しない」ことを学ぶ方法ばかり重視した教育からは、想像力を養う機会は生まれない。(本文より)」
で、しめられている。
この項を読んだ時に、思わず「そうそう!」と頷いた。
失敗は必ずある。
何かを100回やって、100回成功する人はまずいないと思う。
例え100回成功しても、200回だとどうか?300回だと?
大切なのは、失敗から学ぶことであって、失敗しないことを学ぶことではない。
その事を著者は爽快に書き上げている。
経済的な視点からの話だが、さほど小難しくもないのでお勧め。
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