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Dr.パルナサスの鏡

テリー・ギリアム監督作

故ヒース・レジャーの代役でジョニーデップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが完成させた事で有名な本作、実のところ内容もあらすじも知らないまま映画館へと足を運んだ。

さてさて、肝心の内容。
ストーリーを全く知らないせいなのか、お子様向けのように序盤の説明的な部分が無いせいなのか、さっぱり内容に着いて行けずキョトン。。。
改めて映画を観る時の自分は、主人公もしくはヒーローと呼ばれる何かに感情移入をし、ああでもないこうでもないと監督の思うツボ君にハラハラさせられているんだと思ったが、この作品にいたっては誰に自分を当てはめようかが定まらない。

良い意味で先の展開が読めないし、誰が何をどう?という思いが散らばっていて定められない。しかしこれがこのストーリーの醍醐味なのかも知れない。

似ている雰囲気というと「チャーリーとチョコレート工場」をイメージしたが、不思議なチョコレート工場の製造工程を見学する!という目的がまず明確である作品と、Dr.パルナサスの鏡の定まらない目的ではやはり全然別ものか。。。
映像の感じは似ている!ってだけだ。

ちなみにこのテリー・ギリアム監督は、大好きなモンティパイソン作品に監督として関わっていた。
それを知って成る程ぉな映像である。

肝心のヒース、ジョニー、ジュード、コリンが演じるトニー。
人によっては違和感があるのかも知れないが、上手い具合に代役を務めている。
というか結構ヒース出演部分は撮影してたんだなぁと単純に思った。
ヒースに関しては、バットマン作品の「ダークナイト」を観た時にあまりのキレタジョーカー役で怖いのと気持ち悪いのとであまり良い印象を持っていなかった。
しかしこの作品に関しては別!
改めてのイケメンっぷりに心は躍るばかりである。
本当に女心と秋の空だ。
そしてそのイケメンっぷりをもう観る事が出来なくなった事に悲しみでいっぱいになる。

さて、相変わらず確信にせまらずの映画紹介だが、皮肉たっぷりなイマジネーション、数々の選択、素直に楽しもう!と油断した気持ちで観るとさっぱりわからない内容に置いていかれ、映像的には親子揃って!なドリーミーな映像だが、確実にお子様には理解不能な本作品。
テリー・ギリアム監督の他作品(モンティパイソン、12モンキーズ、ブラザーズグリム等)を踏まえて興味のある人にはお勧めである。

この時期に第九

行けなくなったオペラのチケットあるケドどうです?

思いがけない誘いである。
オペラ鑑賞なんて行ったこともなく、「生涯に一度は聞いてみたいなぁ。。。」なんてくらいにしか心になかったものが急に身近に感じる。

誘われたと同時にYesサインを出し、チケットを受け取る。
”世田谷フィルハーモニー管弦楽団&世田谷区民合唱団
ペートーヴェン 交響曲第9番ニ短調「合唱付き」”
チケットに印字されている文字である。

む?むむむ?オ?ペ?ラ?。。。。
自分が思うオペラとは、デブっちょのテノール歌手とか、折れそうに細いソプラノ歌手が、カルメンなんてのを情熱的にイタリア語で歌い上げる歌劇だと。。。

ま、まぁベートーベンは好きだし、第九の合唱を生で見たこと無いし、しかもチケットは好意で頂いている。
これは楽しまなければ!の気持ちの当日。
雪は無いものの北風さんぴゅーぴゅー。
ビル風なのか、時折吹く突風にも負けず昭和女子大学人見記念講堂に着くと長蛇の列!
はうッ!!!
年に1度訪れる友人の演奏会では開園前に並んで入場なんて体験が無かったので、圧倒されると共に最後尾を目指して歩き出す。
ちなみに全席指定席じゃ無いので皆さん早々と集合したと思われる。

受け取ったパンフレットを見ると、ソプラノ、メゾソプラノ、テノール、バリトンの名前が書かれている。
おぉ!歌手だ!歌手がいるのね!!!
すっかり合唱だと思い、せめて日本語の第九じゃないことを密かに祈っていた自分としては嬉しい悲鳴だ。
生で歌手の歌を聴けるとは!
彼等の華々しい経歴を読み、う〜む。。。名前だけは知っているんだけどなぁ。。。と、オペラへの知識不足を改めて思う。

いざ開演!
前半は日本人が作曲した曲を演奏。
。。。お祭りのような和太鼓?にぴーひゃらと鳴るピッコロ?
。。。あんまりお好みではなかった。
自分は音楽家でも何でもないが、あんまり日本の音楽は好みではない。

気を取り直して、休憩開けにいよいよのベートーヴェン!
う〜ん。。。素敵な音色。。。なんだけど。。。
これは講堂の作りのせいなのか、音がステージ上にこもってしまい一つ一つの楽器の音が剥き出しで響いてくる。
つまり誰かが一つ音を外すと丸裸で聞こえてくる感じ。
どういう空間が音響に良いのかはあんまりわからないが、ちょっぴりこの場所は残念な気がした。

ただし、バイオリンや弦楽器の方々の一糸乱れぬ演奏はウットリとした。
再度お伝えするが、自分は音楽家では無いので素人の玄人もどきな感想である。

そしていよいよの合唱である。
ワラワラと合唱団の方が入場し、歌手の方々も入場。
合唱と油断して眼鏡を忘れたので顔は見えないが素敵な衣装の色は判断出来た。
ふふ〜ん♪
第九のフレーズが聞こえる。
すかさず歌手のソロ!
おぉッ!!!!
響き渡るソプラノ!いい声のテノール!重なるハーモニー!
「人間って凄いなぁ」
シンプルにそう思う。
練習するとはいえ、声が楽器になるなんて。

初めての第九は終わりを告げる。
手放しに「ブラボー!」と叫ぶ程の感動は無いが、何だか素敵な休日を過ごした、そう思える日曜日の昼下がりであった。



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