ホテルで一息つき、紅茶を啜っていると何やら水の音。
先ほどトイレを使用したがタンクに水を溜めているにしてはどうも長い。
耳を澄ます。
まだ水が溜まっている。
耳を澄ます。
まだ水が溜まっている。
いよいよ気になってバスルームを除く。
ぬお?!
流すボタンが沈んだままフラッシュし続けているではないか?!!!
いか〜んっ!!!これはいかんぞ!!!
急いでボタンを引っ張り上げようとするも、勿論指が入る隙間はない。
もう一度押してみる。何の変りもない。
流石に水が流れっ放しなんていけないので額に汗しながらフロントに行くと、初日に親切にしてくれたオジサンと従業員のお姉さんが談話中。
そこをメリっと割り込み、
「水が、水が止まりませんっ!!!」
鼻息荒く伝える。
一瞬キョトンとした2人。
自分のあまりの形相に2人は顔を見合わせた後、
「じゃあ見てみよう。行って来て」
と、オジサンがお姉さんに指示。
工具でカチャカチャ修理するならオジサンの方が得意そうなのに、
なんて勝手に事態を大事に考えながらお姉さんを引き連れて部屋に戻る。
「見て、見て!ここよ、ここよ!」
百聞は一見に如かずの形相でお姉さんに伝える。
お姉さん、事故現場を一瞥して冷静に隣の左の小さいボタンをぽちり。
ポンっ、と沈んでいたボタンが浮き上がり水が止まった。
あ・・・っ、そう・・・・
海外で見かけるこの2つのボタン使用のトイレは、日本でいうところの左が小、右が大だと勝手に思い込んでいたが、どうやら流すと止める?なのかも知れない。
あっけなく物事が沈静化した。
やれやれと出て行こうとするお姉さんをすかさず呼び止め、
「ま、待って、待って!このマイクロウェイブはどうやって使うの?」
実は水騒動が起こる前、昨日買ってきたシェパーズ・パイを温めようとしていたのだが、色々想像してもこのマイクロウェイブの使い方がわからず、
「イチかバチかで使ってみるか・・・」なんて暴挙に出ようとしていた。
そこへきて絶妙なタイミングでお姉さんをお部屋へお招きしたので、使い方を伝授して貰うべく声をかけてみたのだ。
お姉さんはフムフムとパイの調理法を読むと、
「温めはここで、時間は4分だから、こうね、じゃ。」
と、サクサク設定してパイを放り込み去っていった。
そして自分はこの設定を記録すべく激写した。
一騒動はあったものの、夕飯のシェパーズ・パイとサラダにありつく。
ランチの残りのベジマイトサンドイッチも追加。
やれやれな1日が幕を閉じたのであった。