綾辻行人さん著者
綾辻 行人
講談社
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館シリーズの第三巻である。
そもそも館シリーズとは、奇妙な設計をする故建築家の中村青司氏が生前に作った館で起こる殺人事件である。
毎回居住するには難儀な設計の館で起こる事件は謎が多い。
これに関しては、通常ではありえない状況設定が出来るので色んな可能性の推理が出来るので楽しい。
さて今回は迷路館という事もあり、館そのものが迷路となっている。
しかも各室ギリシャ神話の登場人物名がついている所も面白い。
自分はそんなにギリシャ神話に詳しくないが、その名前の神様についての話は作中で説明しているのでわかる。
この館の主はミステリー小説の作家大先生だが、ここ数年執筆活動を辞めているところから物語は始まる。
作家大先生の誕生日という年に一度のイベントに、後継者選びとは言わないまでもその莫大な遺産分与を餌に目にかけている小説家4名、編集者、評論家、ミステリーマニア(シリーズ通して登場する人物)を集め、館を題材にしたミステリー小説の大コンペティションを始める。
条件は、期間中館から一歩も外出してはいけないという密室空間。
そもそもこの館が地下に作られているため完全に隔離された状況である。
その中で次々と起こる連続殺人。
今回は、手の込んだトリックは無く薄々犯行手口というのは推理できた。
しかしやはり今回も犯人の目星は間違っていなかったものの騙された。
何故だ?!
まだ3作品しか読んでいないせいだからか?!
どんでん返しがあるとわかっていながらその他の事に注意を持っていかれ、最終的に「はうッ!!!またやられた!!」
となってしまう。
そもそもトラップが多い。
本作品では、”犯人は誰か?””この事件を小説として書き上げたのは誰か?””動機はなんだ?”と、解かなければならない謎が多い。
ちなみに”小説として書き上げた。。。”と言うのは、本書がこの事件の目撃者による書き下ろし初出版本であるという設定から始まるため、誰が書いた本かも推理しなければならない。
最後のどんでん返しにも見事に絡まり、あげく小説家すら当てる事が出来なかった。
今のところ自分は著者に0勝3敗。
現在あと6冊の館シリーズが残っている。
続いての「人形館の殺人」を手に打倒を誓うのであった!!!!
久しぶりだなぁ。。。
こんなにバシバシ読み漁る作家さんも。
アガサクリスティー以来かしら。